クレイジー・ティンバー・エンジニアリング

日本一マニアックな木造建築・木質材料のブログ

木造耐力壁設計の心得

木造耐力壁の構造的な性能は、耐力と変形によって決まる。

耐力壁を設計する場合、なるべく変形しずらく、耐力も高いというのがベストではあるが、それを両立させることは非常に難しいが、①変形のしずらさ(剛性)を高める、②耐力を向上させるというの2面から考えると言い。

木造建築はいわゆる“遊び”や“ガタ”が生じるため、加力のし始めの変形が非常に大きくなる性質がある。それを防ぐためには、高い精度の加工を行ったり、木のつっぱりを利用した筋かいを使用したり、“遊び”や“ガタ”の生じずらいビスや釘接合が使用したりする必要がある。

耐力を高めるには、大変形時も壊れないように変形を粘らせる必要がある。そのために木のめり込みを利用した貫接合を利用したり、破壊を遅らせるために金物で補剛したりする。

木造設計の耐震性能

多くの木造建築は耐力壁によって、耐震性能を発揮している。
耐力壁とは、地震に抵抗する壁であり、その種類によって強度が異なる。

現代の木造建築に一般的に使用されている耐力壁は、筋かい壁と面材壁であり、その特性によって使い分けがされている。

耐力壁の性能は、耐力と変形によって決められている。中小地震時には地震による変形をいかに少なくするか、大地震時にはいかに倒壊から免れるかが最大のテーマである。

設計者は、耐力壁をバランスよく配置をして耐震性能を確保しているのである。