クレイジー・ティンバー・エンジニアリング

日本一マニアックな木造建築・木質材料のブログ

多面せん断

木造建築における、木ダボ・ビス・釘・ボルト接合は基本的にはせん断接合として使用されている。鉄骨造ならハイテンションボルトを使って当たり前のように摩擦接合が実現するが、木材は粘弾性体であるため応力緩和が生じ摩擦接合の実現は難しい。

そんな、接合部での剛性や耐力を高めるために、多面せん断接合という技術がある。
接合具と母材のとのせん断面が多くなればなるほど、剛性や耐力が上昇し、理論上は2面せん断接合は1面せん断接合の2倍、3面せん断なら3倍・・・・と倍々で性能が向上していく接合方法だ。(実際には倍々にはならないが、性能は向上していく傾向がある)

下の図の接合は柱と雇いほぞがダボの4面せん断接合の例で、耐力壁ジャパンカップでもよく見られる強力な接合方法だ。柱や雇いほぞの端距離が十分に確保できるように設計するとよい。

f:id:crazytimberengineering:20190802144552j:plain

多面せん断の例